初心者でも、難問にチャレンジする人でも、「力の図示」は完璧にできるようにしよう!
こんにちは! 今回は、力の図示 について書いてみようと思います。みなさんは物体に働く力を正しく書けますか?
~ 目次 ~
①.力の名前と名称・物理量・特徴って全部覚える必要ある?
②.力を分類できる?
③.力の図示は分類毎に書き込んでいくと良い!
④.つりあいの考え方が必要になるときも!
⑤.まとめ

①.力の名前と名称・物理量・特徴って全部覚える必要ある?
突然ですが、力の名前って何個知っていますか?そして、その力それぞれの物理量(文字)や特徴をちゃんと言えますか?具体的には、
- 重力 mg 鉛直下向きに働く
- 垂直抗力 N 面に垂直な方向に働く
- 張力 T 糸が張っている方向に働く
など もちろん覚えていることは大事ではありますが、入試問題やセンター試験問題だと、レアな力が登場したりします。しかも、その力には名前がなかったりします。たとえば、
- ちょうつがいから受ける力
- 杭の先端から受ける力
などになります。そんな時に良くあるのが「習っていない(わからない)から、止まる」ことです。このような人は、出題されるであろう力を全て習わないと問題が解けなくなってしまう、ということになりますよね。なので、考え方を変えていったほうが良いかもしれません。
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②.力を分類できる?
物理を学習しているなら、何個かは力を習っていますよね。では、力をあるルールに基づいて分類(グループ分け)することはできますか? ここで、気になるのは「あるルールとは?」だと思います。 物理を学習するにあたって、力の名前には、具体的な名称と総称表現の2つがあることを知っておくと良いと思います。
- 具体的な力の名称 ・・・ 重力、垂直抗力、張力など
- 力の総称表現 ・・・ 場の力、接触力、向心力、復元力など
教科書で最初に出てくる総称表現は、向心力 だと思いますが、この向心力を重力や張力と一緒に考えてしまう生徒が多いんです!ちなみに、総称 という言葉も生徒はよく間違えますよね(よく、すべて、と考えてしまう生徒が多いです💦)
総称とは
- いくつかの物を一つにまとめて呼ぶこと ( 三省堂 大辞林 第三版より)
すなわち、あるルールに基づいてグループ分けしたときの、グループ名称のことを意味します。上記の力の総称表現だと
- 場の力 ・・・ 場から受ける力
- 接触力 ・・・ 接触しているところから受ける力
- 向心力 ・・・ 円の中心向きに働く力
- 復元力 ・・・ (振動中心の位置に)戻ろうとする力
になります。大事なところなので、しっかりと区別して下さい!
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③.力の図示は分類毎に書き込んでいくと良い!
②での、総称表現は知識だけでなく、ぜひ力の図示に利用してもらいたいと思います。物理基礎の勉強だけなら、
- まず、場から受ける力(重力)を書いて...
- 次に、触れているところから受ける力を書いて...
と分類順にやるとわかりやすくなります!慣れてくると、
- 物体に働く力の数 = 場の力の数+物体に触れている物の数+摩擦力の数
と、接触力が働く力の数を見抜くのに助けとなってきます!
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④.つりあいの考え方が必要になるときも!
分類だけでは太刀打ちできない問題もあります。こんな問題があったとしましょう。 水平面上に置かれた物体に、右向きの力が働いていても静止している、とします。この物体には、水平面以外触れている物はありません。(普通、力が加われば、その向きに動くはずなのに...) このようなときに、水平方向の力のつりあいを考えれば、左向きの力が働いているはず!その左向きの力は何だろう...あっ、水平面から摩擦力があった!左向きの力の正体は、摩擦力だ!! このように、分類だけではわかりづらい問題も、つりあいを考えると、働く力が見抜けるときもあります!
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⑤.まとめ
④までの考え方がわかると、たとえ習っていない力・未知の力だとしても、「ちょうつがいに触れているから、ちょうつがいから力を受けるはず」とか「棒の先端に触れているから、この先端から力を受けるはず」など、名前はわからなくとも、力が働いていることがわかるはずです!これで、難問でも力の図示は完璧にできると思います! ※慣性力については、別記事にしたいと思います。
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最後まで読んで頂き、ありがとうございます! (^^)/